企業のマスコットキャラクターを制作させていただきました。
若い社員さんたちと意見交換を重ねて、一緒に作り上げたキャラクターです。
本記事では、アイデアスケッチ段階から公開し、制作過程をリアルにお伝えします。
〈お客様〉
株式会社メタルワークス様：岐阜県羽島郡岐南町
屋根工事・板金工事・遮熱工事・金属工事
ホームページURL：https://metalworks-gifu.co.jp/
屋根や壁といった建築板金工事を行う会社
株式会社メタルワークス様は、建築板金を行う会社です。工場や大きな建物の屋根工事や外壁工事が主な事業です。
メタルワークス様は綿密な事前調査を行い、細部まで数値化した施工図を作成して現場に臨まれているため、工期短縮につながっているそうです。
さらには建物の遮熱工事も行っています。
屋根や壁からの輻射熱を99％カットして室内を快適温度に保つ、特殊な遮熱材の施工により、光熱費を抑えることにつながります。
建物の外回り施工だけでなく、室内を快適空間にする施工も行う。
屋根も壁も、室内も。工場や店舗などの建物は、メタルワークス様にお任せできます。
キャラ作成の目的や想いをヒアリング
20歳の社員 松岡さんからの発案で、今回のプロジェクトはスタートしました。
「会社のマスコットキャラクターを作りたいです」
若い社員さんからの一言を大切に受け取られたメタルワークス 宮田社長。
全面的に”社員主導”で動いてほしいと、社長は見守られることに。
右から社員の山下さん、松岡さん、和性
早速私は、ヒアリングに伺いました。
発案者の松岡さんに、キャラクターを作る目的をお聞きしました。
- 板金を知らない一般の方に知ってもらうきっかけになれば
- 板金職人=怖いイメージではなく、親しみを持ってほしい
- キャラクターの存在で、社員の士気が上がり「頑張るぞ！」と思えるように
松岡さん自身、入社する前は「板金職人って厳しいんだろうな…」というイメージをお持ちだったそう。
しかし、メタルワークスに入社するとそのイメージは一変したそうです。
社員の皆さんが話しかけてくれる、明るく雰囲気の良い職場だったとのこと。
そして現場に出ると、真剣に作業をする姿を見て「板金職人ってかっこいいな」と思うようになったそうです。
「これがメタルワークスだ、と分かるキャラクターが良い」との希望もお聞きしました。
そこで、板金職人の必需品である道具、柳刃（ヤナギバ）・ツカミを取り入れたキャラクターにしよう、という話になりました。
ラフスケッチを描き、方向性を探る
まずは、初回ヒアリングでの会話をもとに、ラフスケッチを４案作成しました。
この段階では考えを凝り固めず、柔軟な発想でデザインをします。
どんなキャラクターにしようか。
社員さんをモデルにした人間型？板金技術を表したロボット型？金属の妖精も面白い・・
以下が実際に提示した、初回ラフスケッチです。
鎧＆兜の武将系
元気・やんちゃな男子系
金属加工のロボット系
メタルの妖精系
キャラクターの外見だけでなく、性格まで設定していきました。よりイメージが湧きますよね。
会議室にラフスケッチを広げ、社員の皆さんに各キャラの意図を説明しました。
形になっていなかったキャラクターが、具体的な絵として現れたことで、皆さんとても喜んでくださいました！
社長も交えた皆さんで意見交換を行いました。
社長から「武将なら、板金の歴史も表現できる」の一言が。
昔の神社仏閣にも板金技術が活かされているから・・という着眼点に一同納得。
発案者の松岡さんも「武将タイプが最もイメージに近い」とのご意見で、方向性が決まりました。
目的を共有してデザインを詰めていく
次に、スケッチをデータ化していきます。
武将タイプをベースに、顔のタッチや表情、各パーツの形や色が異なるさまざまなバージョンを作成しました。
データ化したデザインを、Zoomにてオンライン提案しました。
社員の皆さんと画面越しで話しながら、その場で色を変えてみたり、表情を修正したり。リアルタイムで修正を施します。
修正を重ねる過程で、メタルワークス様の事業である ”板金ぽさ” をもっと出したいというご要望をいただきました。
”板金ぽさ” を出すために、屋根や壁の施工写真を送っていただき、雰囲気を掴んで描きました。
さらに宮田社長から「キャラクターを作る意味、目的を今一度明確にして、誰に・どんな印象を持ってもらいたいのか。それを見失わないように。」との助言をいただきました。
その言葉を元に、社員の皆さんで話し合いが行われ、キャラクターの目的・コンセプトが改めて明文化されました。
- 建築業界を知らない人が抱く「怖い・厳しい」という印象を払拭したい
- 人よりも動物で表現する方が親しみやすい
- 高い梁の上を歩いたり、手先を器用に扱う点から、サルのイメージが合う
- 職人のカッコ良さを表現したい
すべてのデザインに意味がある
目的・コンセプトに沿って、キャラクターは人間からサルに。さらに持ち物、表情など何度も意見交換を重ね、修正していきました。
そうして仕上がった、メタルワークス様のキャラクターがこちら。
- 板金屋根を表現した兜（かぶと）、板金壁を表現した鎧（よろい）
- ハーネスを装着し、胸には会社のロゴマーク
- 兜の鍬形（くわがた）はメタルワークスのWをモチーフ
- 持ち物は、板金屋の必需品「ツカミ・ヤナギバ」
背景に配色したバージョンもご提示しました。背景色により、随分と印象が変わることが分かります。
Tシャツなどの色選びの際、参考にしていただきます。
社員の皆さんと一緒に作り上げた、企業キャラクター。
キャラクター作りを通して、メタルワークス様のこだわりや情熱など、多くを感じ取ることができました。
これから、このキャラクターがどんなふうに活用されていくのか、楽しみにしています。