※2017年2月に書いた記事に加筆修正しています。後日談があるため再掲載しました。
寒い日が続きますね〜
先日、私がある企業様向けに制作した販促物が、模倣されるという出来事がありました。
連絡を受け、実際に真似されたデザインを見て、おどろきました!
色合いや全体的な雰囲気はそっくり同じなのに、こだわって考えたデザインは見事に崩れている・・・
文字の大きさや改行など、綿密に計算して作ったのにまったく無視して作ってありました。
(でも書いてある文字はほぼ同じという…)
これは、きちんと対処しなければならない問題だと感じました。
違法性を指摘した資料を作ることに
企業の担当者様と相談して、私が書面を作成することになりました。
デザインの模倣は『著作権の侵害にあたる』という意見書です。
書面を提示して、デザインを取り下げてもらう必要がありました。
そのまま使われては困る、違法である、ということをわかってもらうための書面です。
しかし、そういった書面のテンプレートもありません。
何をどのように書けば良いかもわかりません。
しかも時間がありませんでした。
書面を即日作って提示し、速やかに取り下げてもらわないと、その模倣品が世に出回ることになるのです。
一瞬、焦りました。
しかし迷っている暇はありません。
すぐに、著作権の侵害に関する事例をいくつか調べました。
そして著作権法に基づいて、違法性を指摘した意見書を作成しました。
その日の午前中に意見書は完成し、無事に先方のデザインを取り下げることができたのです。
会社員時代のある出来事
この意見書を作成している時、私はあることを思い出していました。
それは、19年間 勤めていた会社で「特許」の業務に携わっていた期間のこと。
・
・
・
私は会社員時代、子供を産むまでは総合職として働いていました。
出張してお客様に提案したり、おもしろみを感じる仕事をたくさんさせてもらっていました。
デザインや企画の仕事に、やり甲斐を感じる日々でした。
それが、子供を産んで1年の育休が明け復帰したら・・・
私がやっていた仕事は、他の方が担当していました。
(その方が遠方の勤務地に仕事を持って行っており、私にはできなかった)
「県外への転勤はできないよね?」という確認をされ、「・・はい」と言うしかない私は、一般職になりました。(総合職はいつ転勤の辞令が出てもおかしくない、一般職は転勤がない)
復帰したら「仕事がない」状態に直面。
事務等でなんとか1日をやり過ごしていました。
以前と比べると、なんと物足りない日々。
私宛ての電話も掛かって来ず、何かやることはないかと探していました。
慣れない育児で、時間短縮勤務を選んでいた私には、責任ある仕事ができないのも仕方ないこと。
しかし、つらかった。
誰からも必要とされていない感覚さえ、ありました。
今まで積み重ねてきたキャリアは、どこへ消えたのだろう?
悶々とする日が続きました。
そんな中、欠員が出た特許関係の業務をすることになりました。
ひたすら調べる日々・・・
特許の仕事といっても、専門知識のある男性上司が二人いたので、私はあくまでも補佐的な立場でした。
膨大な量の資料を見て、似たような形状がないか調べたり・・・
(意匠登録の下調べです)
毎週、外国の特許情報をネットで調べ、自社に関連する内容があれば印刷する。
(ヒットするのはほとんどないけど、それでも全部見ないといけない)
何冊もファイルを抱えて、朝から晩までページをめくったり、英語や中国語のパソコン画面を眺めたり。
とにかく、来る日も来る日も、1日中調べるのが仕事。
定時のチャイムが鳴ると「今日はここまで調べました」と報告して、明日もまた続きを調べる…
人と話したり、アイディアを考えたり・・・
もともと、創造性や動きのある仕事が大好きな私には、なかなかの苦痛でした。
「また、膨大な量の外国の画面を見なければ…」
そう思うだけで、気が重くなっていました。
しかも、急ぎの仕事ではないので、誰からも催促されない業務。
やり甲斐や達成感からは遠ざかっていました。
しかし、仕事を放棄するわけにもいかず、特許に関するさまざまな文書を読んではいました。
あの時の経験がいま活きている
そんな中、以前担当していたデザイン企画部署から声が掛かり、私は特許の部署から前部署へ異動したのでした。
異動する際、特許の上司からは「和性さんを特許担当として、育てるつもりだったのに…」と言われました。
内心驚きましたが、デザインの仕事に戻れるうれしさで、私は浮かれていました。(ごめんなさい・・・)
・
・
・
あれから数年が経ち、起業した今 思わぬ形で特許(権利)の仕事に直面しました。
著作権と特許は同じではありませんが、大きくくくれば権利の問題。
著作権について調べる中で、難しい文章が出てきましたが、そういった内容にも抵抗なく触れている自分がいました。
専門的な文章を、わかりやすく噛み砕き、筋道を立てて説明した資料を作る。
この行動が、短時間で難なく行えたのは・・・
作っている途中で、気が付きました。
あの頃の経験が活きているんだ!
特許の仕事に携わっていたから、権利関係の難しい文章にも抵抗がなかったのです。
「あれ?私これ理解できる」「これはあの時調べたことと似てる」
私の中に、驚きと感謝の気持ちがこみ上げて来ました。
どんな仕事でも信念を曲げずに向き合う
あんなに苦痛と感じていた仕事も、今に活きている。
ムダなことなんて、ひとつもないのかもしれない。
あの頃は、起業なんて夢にも思わなかったし、目の前の仕事のことしか考えていませんでした。
でも、どこで何につながるか分からない。
今、イヤイヤ行っている仕事があるとしても・・・
今後の人生で、活きて来ることがあるかもしれません。
Smile Lifeコーチ 林 英奈ちゃんからのメッセージ♡
目の前の仕事に向き合い、できる限りの力を尽くせば、後から活かすこともできると思うのです。
大切なのは、自分の中の「譲れない信念」を持ち続けること。
希望を失わずに、歩いていきたいですね。
今日の記事は、いろいろな意味で私にとって勇気のいる内容でした。
<後日談>
少し前に、今の仕事の関係で、特許の元上司に電話する機会がありました。
私が起業していることを説明したら、電話の向こうで「そうですか、それは良かった」と、喜んでくれました。
そして、用件が済んだ後に、私は勇気を出してこの話をしました。
「あの頃、特許の仕事をさせてもらって、いろいろ教えてくださったおかげです!ありがとうございました!」
とうとうご本人にきちんとお礼が言えたのです。
とってもシャイな元上司は、「いやいやいや、そんな…。和性さんが頑張ったからです」と言ってました。(どこまで良い方なんでしょう!)
伝えることができて、良かった〜!
電話を切って、とても晴れやかな気持ちでした。
本当に感謝しかないですね。
——————
デザインするだけじゃない。さまざまな問題にも対応します。
和性へのご相談はこちらのフォームから可能です。
すべてのメニューの一覧はこちら。
>> メニュー・料金一覧
お問合せ・ご相談はこちらまでお願いします。
>> お問合せフォーム
お申込みからお届けまで、このように進みます。
>> 制作の流れ
後からの資格追加や肩書き変更も、修正無料だから安心!
>> 文字の追加変更[初回無料]のお知らせ